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弁護士の12月

いよいよ師走になりました。どういうわけなのかは知りませんが弁護士も「センセイ」という敬称をつけて呼んでいただける業種のためか、12月は一般にどうしようもなく忙しいです。
例年12月は事件がどんどん解決していきます。やはり紛争を抱えたまま年を越したくないのでしょう。この時期の和解の席での裁判官の殺し文句は「気持ちよく年を越しましょうよ」「今年の内に解決しましょうよ」です。
まぁ、代理人の弁護士としても、年末年始に多くの仕事を抱えるのもしんどいので、こうした傾向は嬉しいです。
下世話な話をすれば、事件が解決し、勝利というか一定の経済的利益が依頼者本人にあると、その利益に応じて、弁護士は報酬を受け取ります。ですから、あまり口に出すことはありませんが、12月は弁護士にとっては稼ぎ時と言えば稼ぎ時です。
さて、僕は、今年、9~11月は原則として新件を受けていませんでした(9月24日付け記事「裁判迅速化と弁護士の嘆き」)。毎週1~3回、午後いっぱいまたは終日の証人尋問をしており、その準備も合わせ、相当の時間をとられていたからです。無罪を争う2件の刑事事件(うち1件は最近何かと話題になる痴漢えん罪事件)、原爆症認定訴訟、保育園民営化訴訟、藤田運輸事件、とまぁ、自分でもよくこの3か月を乗り切ったと思います。疲れとストレスが出たのか、軽度の帯状疱疹のようなものが出てしまいました(業務に支障が出るほどではありませんが。)。
3か月も新件を受けないと、少しは時間にゆとりができ、デスクワークができるようになりました。そうはいっても、集中審理の後には、その結果を踏まえた書面を作成しなければならないので、やはり楽ではありません。ただ、証人尋問の緊張感というか、証人尋問の際の神経のすり減り具合といったら半端ではありませんので、やや解放感があります。
ですから、今年の僕は、12月に事件が終了していくことも報酬を受け取ることもなくひっそりと年末年始に向かっていきます。
こうしてみると、ひたすら裁判の迅速を求める最近の司法改革の傾向は、現場に大変な負担を求める者だと思います。たしかに今まで五月雨審理とか何とか言われてはいましたが、事実関係を丁寧に解明するためにはある程度の緩慢さは必要だったのかもしれません。それと、実際に困っている方が迅速な解決を望むそのニーズをどう調整するのかが大切だと思います。

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