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「原爆症認定の在り方に関する検討会」は所詮御用機関だったか

NHKの報道によると、従来放射線との関連性が認められてきたがんや白内障の他に心筋梗塞を加えたとか、被爆当時爆心地から3.5㎞以内の地域にいた人は認定するだとか言っているようです。それは今までの広げたことには違いがないでしょうが、それでもまだまだ狭すぎます。この程度の報告を聞きたくて、被爆者が集団訴訟を起こしたのではありません。

そもそも集団訴訟を起こす直接のきっかけとなったDS86による被曝線量推定や「原因確率」論は温存されています。
DS86とは、Dosimetry System 1986(1986年被曝線量体系)の略で、1986年にネバダの砂漠で行われた核実験の結果を基に距離・臓器毎の被曝線量をシミュレーションしたものです。重要な基礎データが軍事機密のベールに包まれているほか、特に遠距離地点での被曝線量が実際よりも小さく評価されているため、信頼性に問題があるといわれています。
「原因確率」というのは、従来放射線防護学では使われることのなかった、役所の造語です。疫学上寄与リスクと言われているもの、つまり、一定の集団を対象に、被曝によってどれだけ発症率/死亡率が増加したかを確率で表現したものです。これは全体の傾向を示すものに過ぎず、個々の被爆者に当てはめること自体、統計データの正常な扱い方からかけ離れたものです。
これでは分かりづらいですね。厚生労働省の言い分はこうです。「あなたは被爆してがんになったんですか。でも、あなたのがんが被爆が原因である可能性は計算したら5%でした。まあ、それくらいだったらひばくのせいとまではいえないのではないですか。」

現にがんになっている人にとっては100%か0%でしかないのです。それに確率を持ち込むことはナンセンスです。でも、そんなことを平気でやっているのが今の厚生労働省です。
そして、全国の被爆者が怒って集団訴訟を起こし、各地の裁判所がこの原因確率の血管を指摘したのを受け、安倍前内閣総理大臣も、認定基準の見直しを指示せざるを得なくなったのです。
その現況となったDS86と原因確率を温存するとは、専門家の風上にも置けません。

そもそも、日本被団協は、専門家検討会の委員の選任に関し、厚生労働省に意見を聴取することを求めていましたが、厚生労働省はこれを無視しました。検討会の構成そのものに問題があったのです。
これでは、被爆者は到底容認できないでしょう。いつまでも裁判が続くことになります。4年もの永きにわたって法廷で大勢の被爆者・弁護士が理を尽くし、被爆者救済を求める多くの市民が運動を展開した、その到達点があるのに、こんな一篇の報告書で覆すことなど許されません。
かくなるうえは、政治的解決を追求することになります。こんな検討会など正当性がないことを世に知らしめなければなりません。

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