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2008年7月

「布川事件」検察官特別抗告に対する弁護団声明

「布川事件」検察官特別抗告に対する弁護団声明

 2008(平成20)年7月14日、東京高等裁判所第4刑事部は 、2005(平成17)年9月21日に水戸地方裁判所土浦支部が出した「布川事件」に関する再審開始決定を維持し、検察官の即時抗告を棄却した(以下「本決定」という。)。これに対し、検察官は、本日、これを不服として最高裁判所に特別抗告を申し立てることにした、とのことである。このことは極めて遺憾である。
 本決定は、東京高等裁判所第4刑事部が、検察官の意見も十分に聴き、自ら事実調べも行い、検察官が本件第二次再審請求の段階になって初めて開示した多数の新証拠も含む新旧全証拠について、慎重に検討した結果、これら新証拠が「確定審における審理中に提出されていたならば、請求人らを有罪と認定するには、合理的な疑いが生じていたものというべきであ」るとして、水戸地方裁判所土浦支部の再審開始決定を支持したものである。
 本決定に示された判断は、原決定に続き、最高裁判所の白鳥・財田川決定の趣旨に沿い、無辜の救済という再審制度の目的を実現しようとしたもので、誠に適正である。
 検察官は、即時抗告審の審理にあたり、積極的な反論・反証をほとんど行わなかった。その上で出された即時抗告棄却決定に不服を申し立てるのは、いたずらに審理を長引かせるものでしかない。
今、検察官に望まれるのは、公益の代表者として、原決定及び本決定を謙虚に受けとめ、早急に再審公判を開始させることである。
 今回の特別抗告は、公正な裁判を求める国民世論にも背いて、許されるものではなく、検察の威信を損なうものである。
 弁護団は、検察官に対し、国民世論に謙虚に耳を傾け、今回の特別抗告を直ちに取り下げ、再審公判の開始に協力し、真実の発見と審理の促進に協力することを強く要望する。そして、請求人らの再審無罪判決を獲得するまで引き続き全力を挙げる決意を表明する。

      2008年(平成20年)7月22日
      布 川 事 件 弁 護 団

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布川事件、高裁でも勝利決定

昨日、東京高裁第4刑事部(門野博裁判長)は、布川事件に関して、検察官の即時抗告を棄却し、2005年9月21日の水戸地裁土浦支部(彦坂孝孔裁判長)の再審開始決定が維持されました。検察官がこれに対して特別抗告(高裁決定に対する最高裁への不服申立て)をせずに再審開始決定が確定すれば、再審公判(やり直し裁判)が水戸地裁土浦支部で始まります。
東京高裁の決定は、目撃証言も自白も信用性が認められず、確定判決の有罪認定には合理的な疑いが残るとしています。その中で、代用監獄問題や取調の一部の録音には問題があることに触れています。
さしたる理由もなく変遷を繰り返す自白、物証など客観的な証拠とは食い違う自白は信用することができないと、至って常識的な判断です。
もちろん、再審請求人である桜井昌司さんと杉山卓男さんは喜んでいます。弁護団も支援団体もよかったと思っています。無辜の救済という再審の目的を再確認させてくれる決定を出した裁判所には敬意を表したいと思います。でも、手放しでは喜べません。常識的な判断をしてくれとは、40年前から請求人本人も、この事件に関わった何十人もの弁護士も、何百人もの支援者も、みんなが言い続けてきたことです。時間がかかりすぎているのです。
とはいえ、再審開始決定が高裁で維持されたことは長らくなかったこと、決定がえん罪の原因(代用監獄、取調の一部の録音、物証をよく検討しないこと等)を率直に指摘したことからすると、えん罪に苦しむ多くの人にとって勇気と希望をもたらすものです。
当面、僕たちの課題は検察官の即時抗告を許さず、早期に再審公判に移行させることです。一日も早く再審無罪判決を獲得するため、今後とも奮闘する決意です。

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