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2008年12月

採用内定問題

最近、新卒学生の内定取消が相次いでいるとの報道に触れました。原因の多くは、近時の株価急落による経営環境の悪化だそうです。
労働問題を扱う弁護士の一人として、端的な意見を言うと、「そのような内定取消は違法無効である可能性が高い」ということになります。
採用が内定した人は、働き始められることを前提に生活設計を始めます。それをいきなり取り消してしまうのは、不当解雇とかわりません。蓄えも多くないであろう新卒者であれば問題は深刻です。
僕は、よく、「解雇は社会人にとって死刑判決なのだから、慎重が期されなければならない」という言い方をしています。
このような観点から、裁判実務上は、採用内定契約を「解約権留保付き労働契約」といい、内定取消は通常の労働契約での解雇と同様の厳しい規制に服すると考えられています。
経営環境の悪化それ自体だけでは採用内定取消の根拠として不十分なことが多いと思われます。そのような場合には、内定取消の理由を文書で示すよう使用者に求め、きちんとした説明がなければ、本採用される地位の確認を強く求めるなり、補償を求めるなりすることになります。
労働者も労働者になろうとする人も、自らを守る法律知識を身につけることが必要です。ただ、未だ本採用されていない人達が組合に加入したり同じような境遇の人たちと一緒に戦うのは容易ではありません。
行政、とりわけ厚生労働省に強い姿勢が求められるところです。
僕も加入している日本労働弁護団では、各地で連絡先をもっています。千葉県弁護士会では、労働問題に対応できる弁護士の名簿を用意しています。また、千葉県庁でも毎週金曜午後に無料の労働相談が行われています。そのような専門の相談先を利用することで解決の糸口が見つかることもあります。
このような立場の人たちかたたかうのには様々な困難が伴うことは十分に理解できます。でも、泣き寝入りしないことでしか被害根絶には繋がりません。足もとを見て横暴を振るう企業には、どうにかしてペナルティを課す必要があります。

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