原爆症認定訴訟

原爆症認定集団訴訟で原告全員救済を求める理由

今週、原爆症認定集団訴訟・東京第一次訴訟についての高裁判決が出ました。集団訴訟で18回目の勝訴判決です。かねてより、厚生労働省は今年5月末までの一連の司法判断を踏まえて解決すると繰り返し言明してきました。もはや全面解決は待ったなしです。
東京訴訟での高裁判決は、被爆者援護法の精神として、1978年の孫振斗訴訟最高裁判決を引用して、「戦争遂行主体であった国の国家補償的措置として行われるもの」ものと位置づけました。すなわち、無謀なアジア太平洋戦争を行った結果として原爆が投下されたことの責任です。今まで数々の原爆症認定訴訟がありましたが、明確に戦争責任に言及したのは今回が初めてです。今回の東京高裁判決は、このような発想を起点に法解釈をしています。
そして、僕たちが繰り返し主張してきた、原爆被害が科学的に解明し尽くされているわけではないことに十分配慮しなければならない、ということを、「あるがままの学的状態」というやや哲学的な言い回しをして採用しました。これは、厚生労働省が、訴訟上、因果関係の証明に当たって殊更に厳格さを要求し、厚生労働省の求める水準に達しないデータはまるで「ない」ものであるかのような主張をしていたことを批判するものです。
しかも、事実認定に当たっては、64年前の客観的な証拠が乏しい特殊な状況にも十分配慮せよとしています。
被爆者が置かれていた状況に寄り添った、今まで被爆者が求め続けてきた思想を表明したものといえます。被爆者援護法の執行者である厚生労働大臣、そしてその補助職員の組織である厚生労働省の本来の出発点を明らかにしたものです。

そのような判断を獲得したうえで、原告団は、勝訴原告を速やかに認定することは勿論、未判決原告も今までの裁判例の水準による解決を、未認定原告についても救済策をとることを強く求めています。
それは、東京高裁判決が率直に認めたように、原爆被害を科学的に解明できているわけではなく、どこまでが原爆被害だという外延を切ることは不可能であること、そしてその厳格な証明を被爆者に求めることは余りにも酷なことがあります。

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原爆症認定集団東京訴訟 東京高裁判決についての声明

2009年5月28日

原爆症認定集団東京訴訟 東京高裁判決についての声明

       原爆症認定集団訴訟東京原告団
       原爆症認定集団訴訟東京弁護団
       原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
       東京都原爆被害者団体協議会(東友会)
       日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)
       原爆裁判の勝利をめざす東京の会(東京おりづるネット)
       原爆症認定集団訴訟を支援する全国ネットワーク

1 本日、東京高等裁判所第4民事部(稲田龍樹裁判長)は、原爆症認定集団訴訟東京第一次訴訟に関し、未認定原告10名及び認定原告1名の未認定疾病について、1名を除いて却下処分を取り消す勝訴判決を言い渡した。
2 本日の東京高等裁判所判決は、これまでの17ヶ所の地裁・高裁判決を集大成したものである。その中で裁判所は、被爆者援護法の前文をふまえて「単なる社会保障的観点に基づくものではなく、戦争遂行主体であった国の国家補償的措置として行われるものである。」と判示した。起因性の判断基準についても、対立する科学的知見がある場合には、厳密な学問的な意味における真偽の見極めではなく、それを前提として全証拠を総合して判断すると判示し、さらに審査の方針には、欠陥があり、判断基準それ自体に合理性を欠くと判示した。
  また、肝機能障害及び甲状腺機能低下症の放射線起因性を明快に肯定した。さらに、4㎞、5㎞及び120時間以降の入市のがんについても放射線起因性を認めた。一審原告の一人については、我々の主張が認められなかったことは残念であるが、今後の解決交渉の中で救済を図りたい。
3 河村建夫官房長官は,かねてから「東京高裁判決が一括解決のタイムリミット」と述べ、厚生労働省も,「原爆症認定集団訴訟と認定基準の改定に関して,5月末までに予定されている大阪高裁判決、東京高裁判決などの司法判断を踏まえて最終的な判断をする」と明言してきた。
  さる4月5日、アメリカのオバマ大統領は、核兵器を使用した国としての道義的責任にふれ、核の無い世界に向け行動することを明言した。被爆国日本としては、病気や差別とたたかいながら身をもって原爆被害を告発した集団訴訟の原告・被爆者の声をうけとめ、被爆の実態に即した原爆症認定制度を確立し、世界に核兵器の残虐性を示すことが求められている。
  集団訴訟の提訴以来すでに68名の原告が亡くなっており、病弱な被爆者にもはや時間はない。
4 本判決は、審査の方針の再改訂と、訴訟の全面解決の指針を示したものであり、いまこそ国は裁判所の判断に従って全面解決に踏み出すべきである。我々は全員救済による訴訟解決を求めてこれから全力で闘う。各位の支援を心からお願いする。
                              以上

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解題・原爆症認定訴訟の3月

 しばらく更新していなかったと思ったら、原爆症認定訴訟絡みばかり6連発になってしまいました。勝訴判決・上訴、の連続です。
 それにしても、集団訴訟になってから国は16連敗を重ねてしまいました。
 とりわけ、3月12日の東京高裁判決と18日の広島地裁判決は、今までの司法判断とは質的に異なるところに到達しました。
 東京高裁判決は、わずかな線量の放射線に被曝しただけでも後年がんになる可能性があること、がん以外の病気でもがんに準じて扱うことができる場合があることを直視し、そうした病気と放射線被曝との関係が認められていれば、個々の被爆者の疾病の放射線起因性を事実上推認せよとしたものです。昨年3月に厚生労働省が策定した「新しい審査の方針」は、本来、そのような発想に立ったもののはずですが、被爆距離や疾病の範囲で不合理な線引きが残っています。東京高裁は、その点を明確に批判し、「行政がやらないなら我々がやる」と言わんばかりに「認定基準の提示」という項目まで設けて解決枠組みを提示しました。
 広島地裁判決は、今まで厚生労働省が「専門家」の審査会に判断を丸投げする格好をとっていたこと、それゆえに被爆者援護法の趣旨にそぐわない処分が重ねられたことから、厚生労働大臣の調査義務違反を認めました。審査会の意見は意見にすぎないのだから、法律を誠実に執行する責任のある厚生労働大臣は、審査会の意見が被爆者援護法に照らして不十分だと思えば再度照会するとか自分で調査するとかしなければならず、漫然と審査会の意見を聞いていさえすればいいというものではないというのです。
 いずれの判決文からは明確ではありませんが、背景には、たくさんの敗訴判決を受けながら被爆の実態に合わない行政を続けていることに対して、司法が相当苛立っていることがあるのだと思います。何より、この集団訴訟が始まってもうすぐ6年です。時間がかかりすぎています。
 国会内でも、様々な政党の議員さんが質問に立ってくださいました。 新聞も、特に各地の地方紙が被爆者救済を強く求めていました。短期間ですが、政治的な雰囲気はたいへん熱を帯びています。
 厚生労働省も、上告受理申立てや控訴の際のプレス・リリースで「5月末までに予定されている大阪高裁・東京高裁(原審東京)の一連の司法判断を踏まえて適切に対応する」と述べています。つまり、この間の上告受理申立てや控訴は単なる時間稼ぎです。
 今、被爆者や被爆者を支援する人たちに求められているのは、5月には必ず政治解決を勝ち取るという不退転の決意とその水準を少しでも高めるため、被爆の実態を知り、広め、被爆者救済と核廃絶の声を集めていくことです。

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厚生労働省の控訴に対する抗議声明

 原爆症認定集団訴訟(高知訴訟)について、去る3月27日、高知地方裁判所民事部(小池明善裁判長)が言い渡した、原告勝訴判決に対して、本日、被告厚生労働大臣が控訴した。
 高知地裁が下した判決は、2年8ヶ月に及んだ審理の経過を踏まえ、被告らに対して主張立証の機会を十分に与えた上で、「新しい審査の方針」で積極認定の範囲外とされている虚血性心疾患について原爆症と認めたものであった。これで、原爆症認定集団訴訟で国は16連敗、「新しい審査の方針」策定後だけでも9連敗となった。
 もはやDS86やしきい値論・原因確率論の機械的適用が不合理であるだけでなく、「新しい審査の方針」の不十分さも一連の判決で明らかになっている。
 このように裁判が続いているなかで、原告のうち既に64名が亡くなっている。一方、昨年4月以降原爆症の認定申請者は7800人を超えており、多数の被爆者たちが救済を待っている。被爆者救済にはもう一刻の猶予もない。
 今、厚生労働省がすべきことは、司法判断を真摯に受け止め、認定基準を被爆実態に即したものに改め、1日も早く訴訟を全面解決することである。
 それにもかかわらず、この期に及んで先日の千葉訴訟東京高裁判決に対して上告し,さらに広島地裁判決に対して控訴を行ったことに続いて、高知地裁判決に対しても控訴を行ったことは、非人道的であり、犯罪的ですらある。
 我々は、厚生労働省の不当極まる控訴に断固として抗議し、原爆症認定基準の抜本的改正、訴訟の全面解決、そして核兵器廃絶に向けて戦い続けることをここに表明する。

  2009年4月7日

      原爆症認定集団訴訟全国原告団
      日本原水爆被害者団体協議会
      原爆症認定集団訴訟弁護団全国連絡会
      原爆症認定集団訴訟高知弁護団

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原爆症認定集団訴訟高知上杉訴訟高知地裁判決についての声明

1 本日、高知地方裁判所(小池明善裁判長)は、原爆症認定集団訴訟に参加する故上杉卓助さんの遺族が提訴した裁判につき、厚生労働大臣の認定申請却下処分を取り消す、原告勝訴の判決を言い渡した。
 本件判決の最大の意義は、本件での最大の争点であった、上杉さんの申請疾病が、厚生労働省が昨年4月から見直した「新しい審査の方針」でも積極認定の疾病に入っていなかった「虚血性心疾患」につき、はっきりと放射線起因性を認めたことである。判決では、「入市被爆者である卓助の放射線起因性を判断するに当たっては、審査の方針の基準によるのではなく、放射性降下物による被曝の可能性や内部被曝の可能性をも念頭に置いた上で」放射線起因性を判断するのが相当であるとし、本件でも上杉さんが内部被曝した可能性は否定できないと結論づけた。
 そして、地裁は近年の放影研の疫学調査等に基づいて検討し、上杉さんの発症した虚血性心疾患については、放射線起因性を肯定するのが相当であると結論付けた。
2 この高知地裁判決で、本年3月だけでも千葉訴訟での東京高裁判決・広島地裁の第2陣判決につぎ、3度目の原告勝訴判決であり、国は都合16連敗ということになる。
 故上杉卓助さんを含め、集団訴訟の原告のうちすでに63名の方が亡くなっており、その他の原告も高齢化している。国は、国会答弁等で、5月の東京高裁判決を待つとの答弁を繰り返しているが、もはや全国の原告・被爆者には時間がない。
3 厚生労働大臣は、本日の判決を真摯に受け止め、本判決に対する控訴を断念するとともに、直ちに不十分な「新しい審査の方針」を抜本的に見直し、すべての被爆者を救済すべく全面解決に着手すべきである。
    2009(平成21)年3月27日
             日本原水爆被害者団体協議会
             原爆症認定集団訴訟全国原告団
             原爆症認定集団訴訟弁護団全国連絡会
             原爆症認定集団訴訟高知弁護団

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広島地裁判決に対する国・厚生労働省の控訴に強く抗議する

1 原爆症認定訴訟(広島二陣訴訟)について去る3月18日に広島地方裁判所(野々上友之裁判長)が言い渡した原告勝訴判決に対し,本日,国・厚生労働省は不当にも控訴した。
 われわれは,国・厚生労働省が広島地裁判決に対する控訴を断念し,原爆症認定集団訴訟の早期全面解決を求めてきた。その声を無視して,国・厚生労働省は7日後に控訴したのである。
2 厚生労働省は既に15連敗を重ねている。「新しい審査の方針」の積極認定対象外の疾病を原爆症と認める司法判断も定着しており,厚生労働省が述べるように一部の疾病について他の地裁と判断が分かれているということはない。また,同方針では被爆者救済に不十分であることも明らかとなっている。
 その上で,広島地裁判決は,松谷訴訟最高裁判決から7年近くの期間が経過したにもかかわらず,厚生労働大臣が分科会に再検討を促したり,自ら資料を収集して適正な認定判断する等の措置をとらずに却下処分をしたのは,職務上尽くすべき注意義務に違反しているとして,国家賠償責任を認めたもので,当然の判決である。
既に集団訴訟の原告63名が亡くなっている今,厚生労働省がなすべきは,病身で齢を重ねた被爆者に鞭打つような控訴をすることではなく,自らの職務上の注意義務に誠実に向き合い,被爆者援護法の精神に即して「新しい審査の方針」を速やかに再改定するともに,集団訴訟を全面解決することである。
3 我々は,国・厚生労働省の不当な控訴に断固として抗議し,原爆症認定集団訴訟の全面解決と原爆症認定基準の抜本的改正が実現されるまで全力を挙げる決意を表明する。

 2009年3月25日

    原爆症認定集団訴訟全国原告団
    原爆症認定集団訴訟広島原告団
    原爆症認定集団訴訟弁護団全国連絡会
    原爆症認定集団訴訟広島弁護団
    日本原水爆被害者団体協議会
    広島県原爆被害者団体協議会
    原爆症認定集団訴訟支援全国ネットワーク
    原爆症の認定を求める集団訴訟を支援する広島県民会議

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厚生労働省の不当な上告に対する抗議声明

原爆症認定訴訟(千葉一次訴訟)について去る3月12日に東京高等裁判所第21民事部(渡邉等裁判長)が言い渡した一審原告勝訴判決に対し,本日,厚生労働省は不当にも上告受理を申し立てた。
本件東京高裁判決は,原爆放射線被曝が,わずかな被曝線量であっても被爆者の身体に深刻な影響を長期間にわたって及ぼし続けること,原爆放射線が原因となる疾病はがん等「新しい審査の方針」の積極認定対象疾病に限られないことを明らかにし,集団訴訟の高裁判決としてははじめてC型肝炎ウイルス由来の肝硬変の放射線起因性を認めたほか,心筋梗塞や脳梗塞についても放射線起因性を認めたものであり,被爆の実相を直視し,被爆者援護法の精神を実現しようとしたものである。
 本件上告受理申立てにあたり,厚生労働省は,東京高裁判決が被爆者援護法の解釈適用を誤っているとしている。しかし,厚生労働省が自ら策定した「新しい審査の方針」を素直に読めば,当然,被爆者援護法にいう放射線起因性の解釈は東京高裁判決が判示するとおりのものとなるはずである。そのような判決に不服を申し立てるのは,いたずらに審理を長引かせるものであり,病身を押して闘っている被爆者に更なる苦痛を与えるものである。
 今,厚生労働省に望まれるのは,国民の生命と福祉に責任のある行政機関として,「新しい審査の方針」策定後も認定行政を批判し続ける司法判断を真摯に受けとめ,全国の訴訟を全面的に解決するとともに,原爆症認定基準を被爆の実相に即したものにするよう抜本的に改めることである。今回の上告受理申立ては,被爆者救済を求める司法判断とこれを支持する国民世論に背き,厚生労働省の威信をも損なうものである。
 既に306名の全国原告団のうち63名が鬼籍に入った。訴訟解決にはもはや一刻の猶予もない。
 我々は,厚生労働省に対し,上告受理申立てをただちに撤回し,被爆者救済に協力することを強く要望するともに,早期に原爆症認定集団訴訟を全面解決させ,原爆症認定基準が抜本的に改正されるまで全力を挙げる決意を表明する。
 2009年3月25日
原爆症認定集団訴訟全国原告団
原爆症認定集団訴訟千葉県原告団
原爆症認定集団訴訟弁護団全国連絡会
原爆症認定集団訴訟千葉県弁護団
日本原水爆被害者団体協議会
千葉県原爆被爆者友愛会
原爆症認定集団訴訟支援全国ネットワーク
原爆症認定集団訴訟を支援する千葉の会

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原爆症認定広島第2陣集団訴訟判決についての声明

1 本日,広島地方裁判所民事第1部(野々上友之裁判長)は,原爆症認定集団訴訟・広島第2陣訴訟に関し,未認定原告3名及び認定原告2名についての未認定疾病に係る厚生労働大臣の認定申請却下処分を取り消すとともに,一部の原告についてではあるが,初めて国家賠償責任を認めた。国家賠償責任を認めた理由として,いわゆる松谷訴訟の最高裁判決から7年近くの期間が経過したにもかかわらず,認定審査をする分科会が,放射線起因性を否定する意見をとりまとめたことに対し,厚生労働大臣が分科会に再検討を促したり,自ら資料を収集して適正な認定判断する等の措置をとらずに却下する処分をしたのは,職務上尽くすべき注意義務に違反しているとした。また,放射線起因性の判断に関しては,通常人の納得し得る程度に合理的に説明し得るものであることが証明されれば足りるとし,さらに,線量評価はDS86やDS02によって正確に計算することはできないといわざるを得ず,この計算の不確実性が,原爆放射線の人体への影響を考慮する上で,無視できるものであるとはいえないとし,DS86による線量評価の正確性を否定した。
2 本裁判では,慢性肝炎1件,慢性C型肝炎1件,C型肝硬変1件,白内障1件,熱傷後の未認定疾病について,放射線起因性を認めており,被爆の実態に沿った判断を示すと同時に,新しい審査の方針の基準あるいは運用の不合理性を明らかにしたものとして,評価できるものである。
3 すでに,大阪,広島をはじめ全国のべ11地方裁判所において,同様の判決が繰り返され,仙台,大阪,東京(一審千葉地裁)では,被爆者全員を原爆症と認める高裁判決が確定している。
 今回の判決により,国は原爆症認定集団訴訟において15連敗となった。
昨年4月から行われている「新しい審査の方針」以降も,既に3高裁,7地裁が積極認定の範囲外の疾病について放射線起因性を認めており,現時点でも原爆症認定行政が狭く被爆者救済に程遠いことは明白である。
 厚生労働大臣に対しては,原爆症認定についてこれを根本的に批判する司法判断が定着しているということを厳粛に受け止め,原爆が被爆後63年を経過してもなお被爆者の身体と心と暮らしを傷付け続ける非人道的な兵器である事実を直視することを求める。
原爆症認定集団訴訟の取り組みが始まって約6年,既に63名の被爆者が亡くなっている。
厚生労働大臣は,本判決の内容を真摯に受け止めて本判決に対する控訴を断念し,不十分な「新しい審査の方針」を抜本的に見直すとともに,全ての被爆者を救済すべく全面解決に着手すべきである。
          2009年3月18日
       原爆症認定集団訴訟全国原告団
       原爆症認定集団訴訟広島原告団
       原爆症認定集団訴訟広島弁護団
     原爆症認定集団訴訟弁護団全国連絡会
            日本原水爆被害者団体協議会
             広島県原爆被害者団体協議会
  原爆症の認定を求める集団訴訟を支援する広島県民会議

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原爆症認定集団千葉訴訟東京高裁判決についての声明

    原爆症認定集団千葉訴訟東京高裁判決についての声明

1 本日、東京高等裁判所第21民事部(渡邉等裁判長)は、原爆症認定集団訴訟・千葉第一次訴訟に関し、未認定原告2名について、厚生労働大臣の認定申請却下処分を取り消すとした原判決を維持し、厚生労働大臣の控訴を棄却した。
2 すでに、大阪・広島をはじめ全国のべ11地方裁判所において、同様の判決が繰り返され、仙台・大阪では、被爆者全員を原爆症と認める高等裁判所の判決が確定している。
 本日の東京高等裁判所における判決も、原爆被爆者を救済の対象から排除する根拠としてDS86及びDS02による被曝線量の推定計算の結果を用いることは、これによっては賄いきれない事態が生じていることから、援護法の趣旨目的に照らし、相当であるとはいえないとしている。
 そして、「新しい審査の方針」に明記されていないがん以外の疾患についてもがんと同様に考えるべきであるとして、新しい審査の方針では救済が不十分であることを指摘する内容となっている。
3 本判決は、原判決に引き続き、肝機能障害について放射線起因性を認めているが、これは集団訴訟では高等裁判所における初めての判断であり、高く評価できるものである。
4 今回の判決により、国は原爆症認定集団訴訟において14連敗となった。
昨年4月から行われている「新しい審査の方針」以降も、既に2高裁、7地裁が積極認定の範囲外の疾病について放射線起因性を認めており、現時点でも原爆症認定行政が狭く被爆者救済に程遠いことは明白である。
  厚生労働大臣に対しては、原爆症認定についてこれを根本的に批判する司法判断が定着しているということを厳粛に受け止め、原爆が被爆後63年を経過してもなお被爆者の身体と心と暮らしを傷付け続ける非人道的な兵器である事実を直視することを求める。
 原爆症認定集団訴訟の取り組みが始まって約6年、既に63名の被爆者が亡くなっている。昨年11月19日、河村建夫内閣官房長官は「東京高裁判決がタイムリミットだ。それ以上(解決を)遅くすることはない」と明言している。厚生労働大臣は、本判決の内容を真摯に受け止めて本判決に対する上告を断念し、不十分な「新しい審査の方針」を抜本的に見直すとともに、全ての被爆者を救済すべく全面解決に着手すべきである。

            2009年3月12日

           原爆症認定集団訴訟全国原告団
           原爆症認定集団訴訟千葉県原告団
           原爆症認定集団訴訟千葉県弁護団
           原爆症認定集団訴訟弁護団全国連絡会
           日本原水爆被害者団体協議会
           千葉県原爆被爆者友愛会
           原爆症認定集団訴訟支援全国ネットワーク
           原爆症認定集団訴訟を支援する千葉の会

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千葉原爆訴訟、明日結審

03年5月に提訴し、5年近く経ちました。明日、ようやく結審予定です。明日は時間を90分とって最終意見陳述を行います。原告団と弁護団とで、6~7分ずつ。
この間、いろんなことがありました。何人もの被爆者と会い、何人もの科学者と面会し、何人もの支援者・活動家と語り合い、国の証人とも対決し、厚生労働省には何度も裏切られ、でも、ここへきてようやくまともなテーブルがセットされてきた感じです。
先週末からの報道では、今日行われた審査会でばんばん認定を始めるということ。厚生労働省は、その発端となった訴訟案件をどうするつもりなのでしょうか。訴訟の外でバンバン認定するからいいではないかというのでしょうか。このようにして、戦う者の足並みを乱そうとするのは、権力の常套です。私たちは、これに臆せず団結を守り抜いて戦わなければなりません。
マスコミでは「半数認定」という文字が躍っていますが、被爆者に多い肝機能障害や甲状腺機能低下症が積極認定の範疇に入っていないなど、新しい認定基準でも問題があります。司法の解決水準に行政が追いついていません。このままでは、まだまだ司法での戦いを続けなければなりませんし、司法の役割は終わっていないのです。
もう、厚生労働省には後がありません。でも、被爆者にも残された時間はわずかです。原爆症認定問題最後のヤマ場。決戦のときです。

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原爆症認定問題/安易な幕引きは許さない

昨日、都内で、原爆症認定集団訴訟の全国弁護団と支援者の合同会議が開かれました。
私たち弁護団は、ほぼ月1回のペースで全国会議を開き、情報交換や重要な意思決定をしています。
折しも、数日前、厚生労働省が「新しい審査のイメージ(案)」を出し、マスコミにも発表しました。
そこで、今回は、急遽、被爆者団体や支援団体にも参加を呼び掛け、評価や今後の対応について意見交換をしました。
厚生労働省が発表した「イメージ(案)」には、このようなことが書かれています。
「①被爆から長い年月が経過し被爆者が高齢化していること
 ②放射線の影響が個人毎に異なること
などに鑑み、これまでの原因確率による審査を全面的に改め、迅速かつ積極的に認定を行うこととする。」
「このため、自然界の放射線量(1mSv)を超える放射線を受けたと考えられ、被爆地点が約3.5㎞前後である者及び爆心地付近に約100時間以内に入市した者並びにその後1週間程度の滞在があった範囲にある者が以下の症例を発症した場合については、格段の反対すべき事由がなければ、積極的に認定を行う。」
として、がん・白内障・副甲状腺機能亢進症、放射線白内障、心筋梗塞の積極的認定を挙げています。「幅広く審査会の審査を省略」するともしています。
このような案は、従来の厚生労働省の態度を相当に替えてきたものということができます。官僚の方針に沿う括弧付きの「科学的知見」を提供する、括弧付きの「専門家」集団に政策をオーソライズさせる仕組みは、水俣病問題でも「行政の根幹」であるとして、行政の公正さや中立性を装う、わが国行政の―「根幹」どころか―恥部でした。原爆症認定問題では、厚生労働省は、裁判で負け続け、安倍晋三前総理大臣が「専門家の意見を聞いて認定基準の見直しを」と指示したことを受け、「原爆症認定の在り方に関する検討会」を設置しました。「行政の根幹」を維持するための、常套手段です。そして、この「検討会」は、実際、従来の「原因確率」を中心とする認定基準を若干手直す程度でやめてしまう報告を出しました。
こんなことで被爆者は納得するわけがありません。私たちは、この報告書を徹底的に批判し、一歩も退きませんでした。こんなことのために5年(否、被爆者は被爆してから62年間毎日が戦いでした。)もたたかってきたわけではない、こんなことでは裁判闘争を終わらせるわけにはいかない、1月には全国原告団代表者会議を開き、たいへんな議論をしていました。

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銭の都合は木と竹を接がせる

前(この下)の記事で、新聞記事を引用しましたが、この記事は、感想です。
旧原爆医療法の規定は、現行の被爆者援護法に引き継がれて、「原子爆弾の放射能の傷害作用に起因」と、そのままの形で残っています。この一言に、被爆者は苦しめられ続けてきました。どういうことでしょうか。
原爆は、63年前、突然、罪のない民間人がひとりひとりの日常生活を送っている最中、その頭上で炸裂しました。その後の研究によって、爆風・熱線・放射線が複合的に被害をもたらしたと言われるようになりました。
爆風によって街と人が吹き飛ばされ、熱線によって全てのものが焼き尽くされて爆心地付近は消滅しました。そして放射線によって魔法にかけられたように次々と人は死んでいったのです。でも、これらは、順繰りに、爆風だけ、熱線だけで被害をもたらしたのではなく、これら3つが渾然一体となって人びとを傷つけ、殺したのです。
ケロイドを例にとります。熱線は人の皮膚を灼きました。同時に皮膚を貫いた放射線が治癒能力を失わせたのでしょう、被爆者のケロイドは、何度手術しても再び盛り上がり、永久に治ることはないのです。その周辺が皮膚がんになっていることもあります。どこまでが熱線で、どこまでが放射線科なんて、分かりはしません。
でも、法律は、それから「放射線の被害」だけを切り取ろうとします。理不尽です。そのことについて、従来、国が言い続けてきたことはこうです。―戦争は、国の存亡をかけたもので、誰にとっても大変なことであったのだから、戦災者は誰も等しくその被害を受忍すべきだ。ただし、原爆被爆者だけは放射線被害という特別の被害にあったのだから、それだけは科学的に分かる範囲で救済しよう。―「戦争被害受忍論」といわれ、この論理によって、東京大空襲の被害も、シベリア抑留者の被害も、中国「残留孤児」の被害も補償を拒まれ続けてきました。そして、それぞれの被害者集団に「自分は特別だ」と言わせることで、被害者同士を競争させる、悪魔の論理でもあります。これは、国の政策の誤りを国が償う「国家補償」の考え方ではなく、広範な立法裁量のもとにおける「社会保障」の考え方に基づくもので、被害のとらえ方そのものを間違っています。(そもそも予算の都合で権利を制約するのが「社会保障」という整理の仕方自体、間違ったものだと思いますが、このことは他日を期したいと思います。)

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「旧原爆医療法/熱線、爆風被害の給付『予算の制約』で除外」(毎日新聞)

1月1日付毎日新聞にあった記事です。このことの感想は別の記事としたいと思います。
***引用開始***
被爆者援護法の前身である原爆医療法(1957年施行)の策定段階で、旧厚生省の原案の中に熱線による被害が救済対象として盛り込まれ、爆風被害も議論されていたことが31日、国立公文書館所蔵の文書で明らかになった。最終的に熱線と爆風は「予算の制約」で除外され、放射線被害だけが対象になった。厚生労働省は放射線被害に限定する理由について「一般戦災者と原爆被爆者を区別するため」と説明してきたが、背景に予算があったことが初めて表面化した。原爆症認定を巡る集団訴訟や、政府が進める原爆症認定基準の見直し作業に影響しそうだ。
 文書には、旧厚生省担当局が作成した原爆医療法の複数の原案や、閣議上申に至る経緯などが含まれている。近畿訴訟の弁護団が要求し、国が07年9月に「原爆医療法の立法関連資料」として大阪地裁に提出した。
 当時、同法は▽厚生省担当局が原案を起案▽同省官房総務課が審議▽内閣法制局が審議▽閣議上申▽国会審議--という流れで策定され成立した。
 文書によると、第1次原案(56年12月12日作成)では、医療給付対象を「負傷または疾病が原子爆弾に基づく放射線または熱線に起因し、かつ現に医療を要すると認められる者」と規定。その後の「途中整理案」や第7次原案(57年1月9日)、参院法制局案なども同様の文言で熱線被害を含めていた。
 だが官房総務課の審議結果(57年2月3日)には「被爆者に限定せず、死亡者や爆風による障害者に対する措置を含めるべきだとの議論もあったが、予算の制約により限定せざるを得なかった」や「熱線に起因するものを除外しないとすれば、爆風被害を除外して熱線被害だけを含めることへの説明が必要」などの記載があり、最終法案から熱線・爆風被害が除外された。
 現行の被爆者援護法は、原爆医療法と原爆特別措置法(68年施行)を統合して94年に制定された。医療給付などの対象を放射線被害に限ったのは、原爆医療法を受け継いだ。
 原爆症訴訟近畿弁護団の藤原精吾団長は「原爆医療法について最高裁が78年に『実質的に国家補償的配慮が制度の根底にあることは否定できない』と判断したのに、予算の制約があったとは驚くべきことだ。立法時の切り捨ての論理が被爆者行政に反映され、現在に継承されている」と批判している。【岩崎日出雄】
 ▽原爆症認定集団訴訟を支援している田村和之・龍谷大法科大学院教授の話 原爆医療法の立法過程で、熱線や爆風による傷害が、どうして医療特別手当の対象から外れたのか、議論があったことは承知していた。どの程度の検討があったのか、詳細に精査する作業が必要だ。政府は当初、被爆者健康手帳保持者は原爆症を発症する可能性がある人ととらえていたが、その後の法改正で解釈を狭めていったことがうかがえ、原爆医療法制定時の趣旨を整理してみたい。
***引用終了***

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薬害肝炎訴訟に学べ

薬害肝炎訴訟に関し、福田康夫総理大臣が一律救済を実現するため議員立法を決断したとの報道が流れました。
すごいなぁ、よくここまでもってきたなぁ、と、自分が関与していない事件ではあってもジンときてしまいます。
行政訴訟とりわけ大型の政策形成訴訟に取り組む弁護士の中でよく言われることは、大型訴訟での裁判所の和解所見は解決のための大きな力になるが、裁判所は所詮権力機関であり、国が呑むことが前提での和解を勧める傾向にある、ということです。特に予算の話をされると難しくなります。ですから、私たちは、国民の権利侵害を訴える行政事件で、国側が予算の話を持ち出してきたときは、「そんなの恫喝だ」と言って憚りません。国の過失によって国民の権利を侵害したら、その保障をするのは当然のことであり、予算枠を持ち出す性質の話ではないからです。(余談ですが、そんな話を通そうと思うのなら、国庫を通じて他の国民が犠牲にならないよう、その時々の行政機関の責任者の個人責任を認めろと言うことにならなければおかしいでしょう。)
この主事件に関わっていると、司法から何を言われても知らんぷりを通そうとし、国民世論から総スカンを食っても何も感じない官僚の抵抗を見せつけられます。国民の税金で生計を立てていながら、何と不遜なことでしょうか。官僚は選挙で選ばれたわけでも何でもないのです。民主主義の社会において、官僚が国民世論に刃向かうことに正当性など微塵もありません。

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「原爆症認定の在り方に関する検討会」は所詮御用機関だったか

NHKの報道によると、従来放射線との関連性が認められてきたがんや白内障の他に心筋梗塞を加えたとか、被爆当時爆心地から3.5㎞以内の地域にいた人は認定するだとか言っているようです。それは今までの広げたことには違いがないでしょうが、それでもまだまだ狭すぎます。この程度の報告を聞きたくて、被爆者が集団訴訟を起こしたのではありません。

そもそも集団訴訟を起こす直接のきっかけとなったDS86による被曝線量推定や「原因確率」論は温存されています。
DS86とは、Dosimetry System 1986(1986年被曝線量体系)の略で、1986年にネバダの砂漠で行われた核実験の結果を基に距離・臓器毎の被曝線量をシミュレーションしたものです。重要な基礎データが軍事機密のベールに包まれているほか、特に遠距離地点での被曝線量が実際よりも小さく評価されているため、信頼性に問題があるといわれています。
「原因確率」というのは、従来放射線防護学では使われることのなかった、役所の造語です。疫学上寄与リスクと言われているもの、つまり、一定の集団を対象に、被曝によってどれだけ発症率/死亡率が増加したかを確率で表現したものです。これは全体の傾向を示すものに過ぎず、個々の被爆者に当てはめること自体、統計データの正常な扱い方からかけ離れたものです。
これでは分かりづらいですね。厚生労働省の言い分はこうです。「あなたは被爆してがんになったんですか。でも、あなたのがんが被爆が原因である可能性は計算したら5%でした。まあ、それくらいだったらひばくのせいとまではいえないのではないですか。」

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地道な平和活動

先月末、千葉県印西市内で、反核平和の集いという集会に参加してきました。
これは、印西市内で反核平和運動に取り組んでいる人たちが、詩の朗読や原水爆禁止世界大会参加の報告などをして、地域でできることを少しずつ実行していこうという、たいへん地道な活動です。僕は、原爆症認定集団訴訟の千葉県弁護団の事務局長として、第1号原告とともに対談を行ってきました。
最近は田中麗奈さんなどが出演している「夕凪の町」も上演され好評を博しているようですが、あの映画には直接には描かれていない悲惨な情景、あの映画にも出てくるような体と心と暮らしに受けた深い深い傷は、どのように想像しようとしても想像しきれるものではありません。
折しも、9月28日、厚生労働省で原爆症認定の在り方に関する検討会がいよいよ始動し、10月4日には被爆者団体(日本被団協)が推薦する専門家からのヒアリングが行われました。この検討会に集まったのは、法学・医学・物理学の専門家といわれる人たちです。

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千葉原爆訴訟の現時点

去る9月18日火曜日、千葉地裁で係争中の原爆症認定集団訴訟で、高橋稔医師(船橋二和病院附属ふたわ診療所所長)を証人として尋問しました。高橋先生の証言により、第一次訴訟の原告4名の疾病が原爆の放射線に起因することを明らかにするためです。
高橋先生は30年にわたって被爆者医療に従事してきたベテランです。検診を含めると延べ12,000人の被爆者と接してきました。
そして、この訴訟では、全国の被爆者医療に取り組んできた医師たちが医師団を結成して、統一意見書を作成しました。高橋先生はその医師団の一員です。
豊富な調査報告結果と臨床経験を背景に、被爆者の急性症状、その後の体調不良、癌などの病気の発症率が高いことを丹念に証言してくださいました。
裁判官も、証拠書類をペンで追いながら真剣に証言を聞いていました。

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転換期を迎える原爆症認定行政

9月15日付中國新聞から二つの記事を引用します。

1つめは、9月14日、広島高裁で係争中の原爆症認定集団訴訟での一コマです。
「原爆症認定を求める集団訴訟の第3回口頭弁論が14日、広島高裁であり、国側証人として原爆症認定申請を審査する厚生労働省の『疾病・障害認定審査会原子爆弾被爆者医療分科会』の草間朋子会長代理が出廷。被爆直後の脱毛などの急性症状について、『放射線起因性はない』『「急性症状を参考に審査することはない』と証言。広島地裁判決などが求めた『総合的な検討』と、かけ離れた国審査の実態が浮き彫りになった。」
僕もこの法廷に、一審原告代理人として立ち会っていました。
物凄い実態が明らかになりました。1件あたり4分、しかもそのうち1分は事務局の事前整理の報告で使われるということも証言されました。おまけに、既に厚生労働省の職員らが作成した準備書面では公にされている被曝線量の一覧票と実際に審査会で使われている一覧票とは異なるという、それ自体とんでもないことが明らかにされていますが、なんと草間会長代理はそのことを認識していなかったことも法廷で明らかになりました。
よく、このような審査会は官僚の専横の隠れ蓑になっていると批判されます。実務的にはすっかり事務方に依存していると評価されても仕方のない実態が白日の下にさらされたのです。12月14日には、反対尋問が予定されています。被爆実態を無視した括弧付きの科学を披瀝することは、被爆者切り捨て行政のイチジクの葉でしかないことを明らかにしてやろうと、原爆症認定集団訴訟に関わる全ての弁護士たちが燃えています。これに成功することで、行政は逃げ込む先を失うことになるのです。

2つめは、そんな訴訟のやりとりと同時並行に進められている基準の見直しです。
「厚労省は14日、安倍晋三首相が原爆症認定基準の見直しを表明したのを受けて設置する「原爆症認定の在り方に関する検討会」の構成を発表した。医師や放射線の影響、法律の専門家の計8人で、広島からも3人の研究者が選ばれた。同省健康局総務課に事務局を置き、28日に第1回検討会を開催する。28日の会合では、日本被団協の関係者を招き、意見を聞く。会合を数回開き、年内にも検討結果をまとめる。」

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夏の読書感想文~「当事者主権」の明と暗(その2―暗)

前回(画面上では下)の続きです。
なるほど、「専門家」といわれる人たちの権威に負けていると、不利益を受けることがあるという話でした。したり顔をする「専門家」の「知見」にメスを入れるのは、やはり現場の苦労であり、生の事実です。困った!という被害です。「専門家」お仕着せではなく、当事者発の要求こそが、世の中を動かしていきます。何てったって「自己決定権」です。
ただ、僕も5年近く弁護士をして、いろんな運動に関わってみた感じからすると、そうそう一筋縄ではいかない感じがしています。
運動体の組み方にしても、「当事者主権」は旧来型の上意下達ではいけないといい、個々の市民の集合体のようなものをイメージするようです。たしかに、こうすると、教条主義的に凝り固まったイデオロギーからは解放されます。こうした「市民連絡会」的な組織形態は魅力的で、そうできたらいいと思います。でも、もともと他の何かで一致している人たちでないと動き出すのが大変です。資金や資材をどうやって確保するか、という問題もあります。「とりあえずの広がり」というのもなかなか困難です。実際のところは、その辺のバランスということになりましょうか。
それよりも気をつけなければならないのは、「利用者自身による福祉」という言葉そのものには、福祉切り捨ての逆説も含まれてしまう危険性です。

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夏の読書感想文~「当事者主権」の明と暗(その1―明)

今朝、2か月ほど前に買ったきり「つん読」になっていた本を読んでみました。中西正司・上野千鶴子著「当事者主権」(岩波新書)です。2003年10月に第1刷で、僕が買ったのは2003年3月の第9刷ですから、かなり増刷されていることになります。1回何冊印刷しているのかは知りませんが。
上野千鶴子さんといえば、フェミニズム研究の第一人者としてよく知られている方です。僕も、大学の教養課程でこの思想に触れ、近代の啓蒙思想を学ぼうとする中で、「こんなの男性中心社会のものよ」といきなり相対化されてしまったという、思想遍歴的には随分な衝撃を受けたのを覚えています。
今頃この本を手に取ったのは、この夏の僕の研究テーマというか、理論立てたいことの材料があると思ったからです。それは、行政プロセスに民間人とりわけ当事者がどう関わるべきかということです。
僕は、仕事で、原爆症認定問題に携わって5年になろうとし、今年になって公立保育園の民営化問題に関わり始めました。これらに共通するのが、この問題です。
原爆症認定申請に対する審査の過程では、厚生労働省が用意した「専門家」による審査会の意見に依拠して厚生労働大臣(というか実質的には厚生労働省)が認定/却下の処分をします。公立保育園の民営化問題でも、必ずといってよいほど自治体当局が用意した「専門家」によって構成される諮問機関が登場し、その諮問結果に依拠した民営化プロセスがとられるという格好です。
なぜそのような手法がとられるというのでしょうか。行政の「客観性」「公正さ」「公平性」を維持するためだといわれます。
「当事者主権」では、(原爆症や保育の問題を取り上げているわけではありませんが、)このような「専門家」を活用する行政手法を「専門家主義」と称し、これに対抗するものが「当事者主権」だというのです。
恩恵や慈善としての福祉ではなく、利用者自身の人格の尊厳に基づき、その主体性を尊重する思想のようです。医療の世界では、既に「インフォームド・コンセント」が当たり前ではないかと指摘しています。利用者自身が福祉サービスを供給するという発想です。

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熊本原爆訴訟/国の控訴に断固抗議する

先ほど、国は、原爆症認定集団訴訟に関する2007年7月30日の熊本地裁判決に対し控訴したそうです。
なんでも、熊本地裁判決の判断は従来の科学的知見とは異なる、地裁判決ごとに考え方が異なる、のだそうです。
何を言っているのだ!!!!
まだ分からないのか!!!!
いや、もう分かっているでしょう。分かっていてやっているのでしょう。
厚労省のいう「科学的知見」など、役所の外では通用していないのです。政治の世界では、医療分科会は検証の対象になっているのです。
地裁ごとに考え方が異なるから行政は依拠できない、とも言っているようです。このコメントなど、語るに落ちています。もう、今までの考え方は捨て去らなければならないのです。
どの判決もいっているではありませんか。DS86と原因確率の機械的適用は駄目だと。内部被爆と残留放射能の影響は無視できないと。被爆者の行動や健康状況をつぶさに総合的に検討しろと。
今までの考え方を脱皮して、行政が新たに依拠できる考え方を求めるくらいなら、裁判の結論を受け入れ、被爆者を苦しめ続けるのはやめるべきです。
それが、健康と福祉に責任をもつ厚生労働省の途です。それをしなかった今日の厚生労働省の判断は、歴史的な誤りとして後世に語り継がれることでしょう。

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原爆症認定訴訟/まずは控訴断念を。

どうも最近は原爆症認定訴訟のブログと化している感がありますが、大切なときに差しかかっていますので、今日も続けます。
今日も、熊本訴訟団を中心とした要請団が首相官邸と厚生労働省で控訴断念を訴えました。私たち人権活動に携わる弁護士の間では、熊本は特別な土地です。水俣病問題を抱え、川辺川ダム問題を抱え、ハンセン病問題では控訴断念-全面解決という画期的な成果を収めた、その地域です。この地での原爆症認定訴訟の勝訴判決のパンチ力は、やはり違います。
安倍首相も柳沢厚生労働相も、基準見直しに言及しました。しかも、現在の医療分科会とは異なる構成の専門家でなければならないとも言っています。「専門家」に委ねることの問題性は繰り返しませんが、ともかくも、現在の原爆症認定行政の根幹に関わる部分での見直しを宣言したのです。このことの意義は大きいです。
今までの原爆症認定行政は、まさに、この「専門家」の知見を錦の御旗にしてきました。それを見直そうというのです。それならば、厚生労働省は、現在係争中のものこそ、慎重に見直さなければならないはずです。いや、訴訟に対応するため、慎重に見直しているはずです。
新聞報道によると、厚生労働省の幹部は、まだ、「原爆症認定は科学の問題だ」などと言っているそうです。違います。科学的解明が進んでいない領域で、どのように被害救済を図るのかという、政策の問題なのです。はき違えてはいけません。
政策は人道的見地から考えられるものです。それからすれば、答えは一つでしょう。今日の各地方紙の社説は、控訴断念と制度改革を求めています。これ以上の問題先送りは、国民の理解を得られません。
政府がまずやることは、訴訟での争いをやめ、速やかに制度解決のために被爆者の要求を受け入れることです。

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原爆症問題/官邸と厚生労働省に言いたい

最近、このブログは、国会や厚生労働省、放射線影響研究所からのアクセスもいただいております。ですので、今日は、特に官邸や厚生労働省に向けて発したいことを書こうと思います。
原爆症認定問題に関し、昨日から今日にかけての報道をご覧になっていることでしょう。そこに表れた世論をどう受け止められているのでしょうか。
この問題に関し、安倍首相は、認定基準の見直しを言われました。ただし「専門家の判断の下」「裁判とは別に」だそうです。どういうことでしょうか。
そもそも、今、原爆症認定基準を見直そうというのはどういうことからでしょうか。柳沢厚生労働大臣の言によれば、原爆症認定訴訟で国が負け続けていることが見直しの理由だそうです。
そのとおり、原爆症認定集団訴訟では、大阪、広島、名古屋、仙台、東京、熊本と、国は6連敗しています。いずれも、DS86と原因確率論による原爆症認定行政の誤りを痛烈に批判しているのです。
だから、今度の「専門家」は、現在の被爆者医療分科会のメンバーとは異なる構成にするということです。法律家も入れると報道されています。ですが、それぞれの判決をよく読まなければなりません。どれも、原爆被害は科学的に解明されてはいないと言っています。それなのに、「原爆被害はここまで」「放射線被害はこれくらい」と決めつけることが非科学的で、しかも法の趣旨にも反していると言われているのです。
この国の敗訴判決を受けてのものである以上、国の用意する「専門的知見」など当てにはなりません。被爆の実相に即して、被爆者の声を直接聞き、被爆者の推薦する委員のリードのもと、被爆者が今まで要求してきたことをベースに認定基準の策定を進めていく必要があります。
そして、今続いている裁判と別にすることなど言語同断です。これまでの国の敗訴判決を受けての見直しである以上、国は全ての控訴を取り下げ、判決に服することが第一です。現在の訴訟を全て解決することが出発点でなければなりません。行政の姿勢がいつまでも変わらないからこそ、被爆者は集団訴訟を提起したのですから。これを受けて入れてこそ、今回の原爆症認定問題に対する国の姿勢は本物と評価されることでしょう。
もう被爆者には時間がありません。厚生労働省の中だけではなく、広く被爆者、国民の声をしっかりと受け止めて進めていかなければなりません。これは、急務です。

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原爆症認定問題に関する安倍首相発言

長かった。本当に長かった。でも、ようやくここまで来たんだ。と、この被爆者問題に関わる人たちは思ったことでしょう。
報道によると、8月5日、広島市内で行われた被爆者関係7団体からの要望を聞く会の席上、安倍晋三内閣総理大臣は、原爆症認定基準の問題に触れ、専門家の判断のもとに見直しを検討したい旨発言したそうです。また、あわせて久間前防衛大臣の発言にも触れ、謝罪したとも報道されています。
――長崎原爆松谷訴訟の最高裁判決が2000年7月18日。その後、被爆者援護と核兵器廃絶を願う多くの人々の声をよそに、運用を後退させた「原爆症認定に関する審査の方針」が採用されたのが翌2001年5月25日、これに怒った全国の被爆者が集団訴訟を提起したのは、2003年4月17日から。千葉でも、東京・近畿(大阪・京都・兵庫)とともに同年5月27日に提訴しました。現在、全国の提訴者は266人、提訴後に亡くなった原告は35人にのぼります。
被爆者は、お金が欲しくて裁判を起こしているのではありません。語りたくもない、思い出したくもない、考えたくもない、それだけでも胸が張り裂けそうになるのに、自分たちのような被爆者を二度と作らないために、自らをさらけ出して、自分の病気は原爆のせいだと叫んでいるのです。
ともかくも、これが原爆症認定問題の終わりの始まりになることを願い、否、誓って、さらに僕たちは核兵器廃絶に向かって邁進しなければなりません。
これからが、私たちの運動の力の本当の見せ所です。
あと6時間半余り経つと、広島に原爆が落とされてから62年目となります。

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熊本原爆訴訟判決

原爆症認定集団訴訟熊本判決についての声明

 本日、熊本地方裁判所民事第3部(石井浩裁判長)は、熊本県内在住の被爆者21名が求めた原爆症認定申請を却下した厚生労働大臣の処分をのうち、19名に対する却下処分を取り消す、原告勝訴の判決を言い渡した。
 すでに、大阪、広島、名古屋、仙台、東京の各地方裁判所において、国の原爆症認定行政を断罪する判決が言い渡されており、本日の熊本判決もこれらと同様、原因確率の機械的な適用で被爆者を切り捨てる厚生労働大臣の原爆症認定のあり方に抜本的な見直しを迫るものとなっている。
 判決は、DS86と原告らに対し発症した急性症状の矛盾や、誘導放射線及び放射性降下物などの残留放射線による外部被曝及び内部被曝を無視している点を批判し、現在の「審査の方針」は高度の蓋然性の有無を判断する際の考慮要素の一つに過ぎないと断罪した。
 2名については、被曝線量の評価を誤り、あるいは、従前の認定例にも反するものであるが、変形脊椎症や膝関節症、糖尿病について放射線起因性を認めるなど、これまでにないふみ込んだ判断を示した。
国は、「原爆症の認定は科学的知見に基づいて適正に行われている」などとして、司法判断を無視する姿勢を続けているが、熊本地裁に提訴した原告21名のうちすでに5名が亡くなっている現状に鑑みるとき、いたずらに解決を先送りすることは人道的にも許されないものである。
「原爆投下はしょうがない」との暴言で久間防衛大臣が辞任に追い込まれた今こそ、国は、被爆者及び原爆被害に正面から向き合うことが求められている。
国が6つの地裁判決を尊重し、本日の熊本判決についての控訴を断念し、原爆症認定行政を抜本的に見直すことを、強く要請する。

  2007年7月30日
    原爆症認定訴訟熊本原告団
          同   熊本弁護団
    熊本県原水爆被爆者団体協議会
    日本原水爆被害者団体協議会
    原爆症認定集団訴訟全国弁護団
    原爆症認定集団訴訟を支援する全国ネットワーク

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久間防衛相発言

久間防衛相は直ちに辞任すべきです。
報道によると、九間防衛相は、昨日、千葉県柏市内で開かれた講演会で、広島・長崎の原爆投下は「しょうがなかった」と発言したそうです。
僕は、今朝の新聞報道を見たとき、目を疑いました。何という不見識でしょうか。戦局は既に決まっている段階で、米国が戦後の勢力分布(敢えて版図と言ってもいいかもしれません。)を見据えて、ソ連の関与をなくすために原爆を投下したということは、多くの資料によって明らかにされています。
そのうえ、この原爆は、そのような政治的な意図のもと、非戦闘員、子ども・女性・老人がそれぞれの生活を送っているところに投下されたのです。一瞬で町は消滅しました。「廃墟になった」ではなく「消滅した」のです。そして、被爆者はその後も様々な後遺症で苦しみ続け、国がそれを原爆被害と認めないことから原爆症認定をめぐる集団訴訟にもなっています。
なぜ核はいけないとされるかと言えば、このように、不必要な、否、その量と質において到底言葉にはならない規模の被害を人類に残すからです。
久間氏は、今後、

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原爆症認定集団訴訟を支援する千葉の会・第5回総会

今日午後、千葉市文化センターで、原爆症認定集団訴訟を支援する千葉の会の第5回総会が開かれました。
早いもので、2003年に提訴して4年になります。
千葉訴訟も佳境に入って資料も出そろった昨年夏。他方で原告勝訴判決が続いていました。それ以降の国の訴訟引き延ばしによって、千葉訴訟は1年の空転を余儀なくされてきました。
しかし、その間、被爆者救済を求める声は大きくなることがあっても、決して小さくはなりません。
今回の総会は、国の不毛な抵抗を圧倒し、被爆者援護・核兵器廃絶に向けた大きなうねりを作り上げることで意思統一できたものとなりました。
帰り道、物凄い雨風でしたが、事務所で一仕事した後帰途についたら、既に雨はやんでいて、ちょっと湿った空気の中を歩いていたら、気がつくと僕は、今は歌われなくなったインターナショナルを口ずさんでいました。

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原爆症認定の早期実現を求める緊急アピール

昨日(07年4月3日)、自民党議員懇の呼び掛けで、「原爆症認定を早期に実現するための総決起院内集会」がもたれ、自民・民主・公明・共産の各党の国会議員17名が参加し、次のアピールが採択されました。
控訴を「暴挙」といい、「人道的見地から猶予はない」つまり裁判引き延ばしは非人道的だと言っています。
厚生労働省の包囲網は確実に狭まっているのです。
今こそ、厚生労働省は解決のテーブルにつかなければなりません。

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 今回の仙台地裁、東京地裁の判決も、これまでの判決同様、国のいわゆる原因確率論を否定し、原爆投下後入市被爆者や遠隔地被爆者についても救済を認める内容であります。現在国内には約26万人の被爆者の方々がおり、被爆以来六十年余、「家族を失い、その上病気で定職につくことができない」、「何度も流産をして子供をつくることができない」といった苦難の人生を送られてきました。また「いつ原爆症を発症するか」「自分は癌になって長くは生きられないのではないか」などの不安を抱えて生きておられる方々に加え、既に癌をはじめ明らかに原爆放射線が影響しているとしか考えられない病気を発病している方々が多々おられます。
 しかしながら、厚生労働省はこうした方々の原爆症認定の申請を却下し、数多くの裁判でも認定すべきとの裁判の判決が下されたにもかかわらず、その判決に対しいたずらに控訴を行い、かかる原爆被爆患者の認定を拒み続けております。今回、仙台地裁並びに東京地裁の判決に対しても行政の誤りをまだ認めず控訴に踏み切る暴挙に出ました。控訴は極めて遺憾であります。そうしているうちにも、高齢化した被爆者の方々は原爆症等により亡くなられており人道的見地からも一刻の猶予も許されないことは論を俟たないところであります。
 かかる事情に鑑み政府、厚生労働省においては、過去のすべての原爆症認定を認める判決に対する控訴を取り下げるとともに早期の救済範囲の大幅拡大を実現することを求めるものであります。

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被爆者 勝利をつかむ座り込み行動

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原爆症認定制度の抜本改善をめざす
被爆者 勝利をつかむ座り込み行動
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4月2日13:00~4日16:00
霞ヶ関・厚生労働省前特設テント
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現在の原爆症認定行政をきっぱりと批判した仙台、東京地裁判決を控訴した厚生労働省に抗議し、1日も早い政治決着を実現するために、4月2日から4日の3日間、全国から原告・被爆者が上京し、24時間の座り込み行動を行います。与野党を超えて急速に動き出している国会内の動きとも呼応します。認定制度の抜本改善はもちろんのこと、原爆被害の実態を正しく認めず、放射能の影響を過小評価してきた“被爆国”日本政府の姿勢を改めさせる行動でもあります。もう2度と、そしてこれ以上、被爆者・ヒバクシャをつくらないためにも、被爆者と一緒に声をあげましょう!

(※期間中は24時間、特設テント内で座り込みを行っています。いつでもご都合の良い時間帯でご参加いただけます。布団を用意しますので宿泊も可能です。テントには、マジックや筆、ペンキなどもありますので、皆さまの思いをぜひメッセージやアートにして残していって下さい。)

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≪行動予定≫(※国会内の情勢によって急遽変更する場合があります)

【4月2日(月)】
12:00~ 厚労省包囲デモ(日比谷公園霞門集合)
13:00~ 座り込み開始/オープニング集会 (各党の国会議員が参加予定)
18:00~ キャンドル集会(原告・支援者の思い、弁護団からの報告、音楽演奏etc)
19:00~ 「原告を囲んでじっくり話を聞くつどい」(原告の被爆体験、戦後の生活史、何で訴訟に立ち上がったか…などじっくりとお話を聞きます)

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原爆訴訟で国が不当控訴

原爆症認定訴訟の3・20仙台地裁判決と3・20東京地裁判決に対し、昨日、国が不当にも控訴しました。

厚生労働省は、集団訴訟になってから5連敗です。集団訴訟以前に個別で起こされていた、松谷訴訟の長崎地裁・福岡高裁・最高裁、小西訴訟の京都地裁・大阪高裁、東訴訟の東京地裁・東京高裁を入れれば12連敗です(僕は集団訴訟と東訴訟から加わりました。)。ここ14年、認定行政は裁判所から徹底的に批判され続けているのです。民間企業だったら考えられないことです。こうなる前にどこかで解決します。この役所には問題解決能力がないのかと思ってしまいます。

しかも、今回は、厚生労働省に控訴断念を求めることに141人もの国会議員が賛同しています。構成は次の通りです。

衆院111人(自民25、民主53、公明8、共産13、社民6、国民5、無所属1)、

参院30人(自民1、民主13、公明5、共産5、社民1、国民3、無所属2)

与野党を問わず幅広い層が厚生労働省の控訴を拒絶していたのです。自民党議懇の寺田稔議員は、私たちの厚生労働省前行動に参加してくださいました。

裁判所が行政の誤りをただし、世論がこれを受け入れているのです。

厚生労働省は、控訴にあたりコメントを発しています。判決は放射線学の一般的理解に反するとまだ決まり文句を繰り返しています。壊れたテープレコーダのようです。もういい加減にしなさい。紛争をいたずらに長引かせることは正義でも何でもないのです。

内部被曝と残留放射能の甚大な影響、原爆被害の科学的未解明性こそ放射線学の常識です。この流れは誰にも止められません。また、厚労省がどんなにかたくなでも、政治解決に向けた動きももう止められないのです。

4月2日からは、被爆者たちが座り込み行動を始めます。

厚生労働省健康局総務課の諸君、君たちは完全に包囲されている。無駄な抵抗をやめて、新しい制度作りのテープルにつきなさい。君らの本来の職務を果たしなさい。

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原爆症認定集団訴訟・東京地裁判決

今日は、一昨日の仙台地裁に引き続き、東京地裁でも、原爆症認定集団訴訟の判決が出ました。30人の大原告団に出た判決は、21人について認定申請却下処分を取り消し、9人について請求を棄却するという内容でした。

総論については、今までの裁判例の蓄積に即して、DS86や原因確率論の問題点を指摘し、これらが原爆被害を過小評価している可能性があるとしました。その筆致はとても緻密で豊かな内容でした。しかし、それだけに各論レベルで貫徹されていないことが残念でなりません。9人については身が引き裂かれるような思いがします。

そして、政治の動きが活発です。今度こそ、この問題は解決できるのではないか、いや、解決させなければならない。そんな空気が確かにあります。訴訟団は、朝からビラまき、判決言渡し、報告集会・記者会見・政党要請、厚労省交渉、総括会議と、とても長い一日でした。

これから2週間の控訴期間がとても重要になります。原爆症認定問題の解決のため、とにかく戦い抜くのみです。

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原爆訴訟・仙台でも勝訴!!

今日午後1時、仙台地裁で、原爆症認定訴訟の判決が言い渡され、2名についての原爆症認定申請却下処分が取り消されました。

昨年の大阪地裁、広島地裁、今年の名古屋地裁に続き、集団訴訟となってからは4つめの判決です。判決要旨によると、仙台地裁は、「審査の方針には、被曝線量の推定については、残留放射線による外部被曝及び内部被曝の影響を過小評価している疑いを否定できないこと、原因確率については、あくまで初期放射線による被曝が特定の疾病の原因となった可能性の程度を表したものであって、残留放射線による外部被曝及び内部被曝の影響は別途考慮する必要があることなどの誤差を生じさせる要因を内包していることから、審査の方針に基づいて放射線起因性の判断を行うに際しては、これによる被曝線量の推定値及び原因確率を一つの要素として考慮しつつも、これを機械的に適用することなく、個々の被爆者の具体的な被爆状況、被爆後の行動、被爆直後に現れた具体的な身体症状の有無とその態様、被爆後の生活状況、病歴、申請に係る疾病の症状や発症に至る経緯、治療の内容及び治療後の状況等を総合的に考慮した上で、原爆放射線による被曝の事実が当該疾病の発生を招来した関係を是認できる高度の蓋然性が認められるか否かを検討すべきものと解する」としています。

司法において定着している総論的判断に即したものです。

この判決要旨には、こうも書いてあります。

「原因確率によって推定される寄与リスクの数値は、当該疾病の発生原因が放射線による被曝である可能性の程度を表したものであるが、リスク推定値が低値であっても有意なリスクが認められる限り、当該疾病が放射線による被曝によって生じた可能性を否定することはできないのであるから、放射線起因性の判断に際しては、原因確率を機械的に適用することによって、真実原爆放射線による被曝により申請に係る疾病が生じたものについて、放射線起因性を否定する結果を生じさせることは可能な限り避けなければならない。」

ここでは、被爆者援護法の精神を具体的適用段階まできちんと貫徹させようという解釈態度がにじみ出ています。

厚生労働省はもう判決を見ていることでしょう。いつまでこのような裁判を続けているつもりなのでしょうか。

3月22日には東京地裁で判決が言い渡されます。

これを機に、何としても原爆症認定問題を解決させたいところです。

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原爆症認定訴訟勉強会

3月18日、原爆症認定集団訴訟の勉強会の講師に行ってきました。

今回の講師養成があったのは、ピース・パス・チバという、若年層で一生懸命に反核平和運動に取り組んだいる人たちです。

被爆者原告1名と弁護団員の基調報告に僕が補足的な説明を加えました。

そういう構成ですので、その場にいた人たちは、それなりに原爆被害そのものについては共感性をもって聞いてくれていました。まずは、これが第一歩。そもそも日本唯一の全国的被爆者団体である日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)ができたのだって、3・1ビキニ環礁水爆実験の後、全国的に巻き起こった原水爆禁止の世論の中で原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の発足の後、その流れの中でのことです。そうしてよいやく被爆者も声を上げることができたのです。

僕としては、ただ、反核運動を進めていく上で、原爆被害に向き合うことは何よりも重要ではありますが、いろいろな考え方と切り結ばなければならないことも意識してもらう必要があるとは考えています。今回は、東アジアやアメリカ国内で、広島・長崎原爆が「正義の爆弾」と受け止める声が圧倒的多数であることを指摘しました。戦争を早く終結させそれぞれの自国民の犠牲を抑えたという神話に基づくものではありますが、これがなかなか根強いのです。

でも、最近、北朝鮮の核開発問題を契機にして、東アジアでも原爆に対する考え方は少しずつ見直されているようです。どういう理由があるにせよ、まだ人類は核を管理できません。人類は核兵器と共存することはできないのです。

今日の議論もその辺に収斂できて、よかったと思いました。

明日は仙台地裁で判決が言い渡されます。原爆症認定集団訴訟4つめの判決です。

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今日の二つの会合

僕には、今日、二つの重要な会合がありました。 一つは、原爆症認定集団訴訟の全国弁護団会議。もう一つは、中国「残留孤児」国賠訴訟の千葉原告団集会。同じ時間にやっていたので、僕は、千葉原爆訴訟の実質的責任者となっている関係上、前者に出席し、後者は勘弁してもらいました。

残留孤児原告団集会に行っていた弁護士の話では、1月30日の東京地裁判決で原告団の中にも様々な声があったが、それを乗り越えて解決に向けて団結することで収斂していたようです。

「残留孤児」は、戦前、国策で満州(現在の中国東北地域)に開拓団として移民し、1945年8月にソ連が攻め込む直前には、本来開拓団を守るはずの関東軍の盾として根こそぎ動員され、敗戦後は中国に遺棄された人たちです。長い間帰国もままならず(1959年には戦時死亡宣告といって、戸籍上抹消し、国はその後の消息調査を一切やめています。)、1972年に日中国交回復後にようやく調査が再開され帰国の途につき始めたのです。やっとの思いで帰ってからは、言葉は通じず、差別はされ、日本での職歴がないために年金も十分もらえず、大部分が生活保護を受けて肩を寄せ合いひっそりと暮らしている状態です。

こんなことはおかしいと2002年12月に東京地裁に国家賠償請求訴訟を提起しました。同様の訴訟は全国に広がっています。

その東京地裁判決は、それはそれはひどい判決で、戦前にあったこと一つ一つを取り上げて現在の損害との直接の因果関係がないではないかといい、軍隊は国民を守る必要はないとか、大量に帰ってきたらかえって困るではないかとか、基本的な歴史認識といい論理性の欠如といい、これを書いた裁判官の法律家としての資質を疑わざるを得ないものでした。

たたかいは、どんなときでも、勝て勢いのあるときと、負けてこれを乗り越えなければならないときがあります。辛いのはもちろん後者です。でも、このプロセスがとても貴重なのです。 安倍総理大臣は「残留孤児」と面会し、柳沢厚生労働大臣に救済策を指示しました。これを本物にするための戦いが始まっているのです。

他方、僕が出ていた原爆症認定集団訴訟は、勝っても勝っても厚生労働省は政策転換を図りません。今や、司法の趨勢はほぼ決まり、与党内部でも議員懇談会ができていて、更に日米両国が出資している研究機関である放射線影響研究所の理事長も原爆被害の科学的未解明性を指摘する発言を始めている状況です。厚生労働省健康局総務課の包囲網は確実に狭まっているのです。彼らは崖っぷちにいるのです。 今日の会議では、この状況から、現実に認定行政の抜本的転換を勝ち取るための方途が話し合われました。

私たち、行政訴訟を担当する弁護士は口癖のようにいいます。「行政が誤ったとき、司法はこれをたださなければならない。そして、司法が行政の誤りを正したとき、それは国民世論に受け入れられ、政策転換につながるのだ。」と。

今、厚生労働省相手の裁判を戦っている仲間たちは、みんな、このダイナミズムの渦中にあって、必死で戦っているのです。

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司法救済システム

僕は、政策形成訴訟といわれる訴訟として、原爆症認定集団訴訟と中国「残留孤児」国家賠償請求訴訟に関わっています。最近忙しくて後者はなかなかやれていませんが…。

過去にもそのような訴訟は幾つもありました。薬害スモン訴訟の判決連弾の中で薬事法が改正され、また、製薬会社の拠出金によって医薬品副作用救済制度ができました。多くのじん肺訴訟の進展の中で、トンネル工事をやる際には殆ど防護措置がとられるようになりました。HIV訴訟やハンセン病訴訟では、訴訟での成果を梃子に、国を交えた協議会が定期的にもたれています。

中でも、私たちにとって最大の教科書は水俣病訴訟の成果だろうと思います。96年に和解が成立し(除・関西訴訟)、一応の解決をみました。「行政の根幹」なるものを振りかざし、多くの水俣病患者を切り捨ててきた国が和解交渉に応じ、未認定患者を含め14,000人が訴訟を通じて和解することができたのです。これは、関係者から「訴訟救済システム」と呼ばれ、政策形成訴訟の金字塔となっています。

でも、環境省はいまだに認定基準を変えません。このような解決に応じながらも、いまだ「行政と司法は違うのだ」といってきかないのです。行政とて人のなす技、誤ることはあるのです。大切なのは、司法でよくよく解明して誤りがはっきりしたら、転換することです。難しい理屈は必要ありません。

原爆症認定訴訟ではどうでしょうか。厚生労働省は、幾つ敗訴判決を重ねても原爆症認定基準を変えようとしません。却下処分を取り消す判決が確定した原告についてだけ、しょうがないから認定処分を出すという方針を続けています。判決が出る度、厚労省は「司法判断は放射線学の常識に反する」と負け惜しみをいうのです。放射線影響研究所理事長を含む多くの研究者が「放射線の人体影響の科学的解明は道半ば」と指摘しているのに。いま、判決連弾の中で大きく動こうとしているマターだと思います。

ところで、全然話が変わって、私たちが山のように抱えている過払訴訟です。サラ金や商工ローン等から、利息制限法所定利率を超過した利息を支払い続けているとき、利息制限法に基づいて計算し直すと、利息を払いすぎているわけですから、元本が減っていき、取引期間が長い場合には計算上元本すらなくなりむしろ業者に返還を求められるというものです。でも、サラ金業者は「弁護士が入らないと利息制限法に基づく計算には応じない」と言ったり、「訴訟前では割り引いた解決しかできない」と言ったりして、訴訟になって初めて全額の返還に応じてきたりします。返還が遅れた場合の遅延損害金に至っては、訴訟にならないと支払わない業者が殆どです。

それから、交通事故。保険会社と交渉していると、被害者本人による交渉・代理人弁護士が介入したときの交渉・訴訟と、3段階の基準があり、後になるほど補償額が高いのです。交渉携帯によって被害実態が変わるわけではないのに。

これらに共通しているのは、コストと時間をかけても権利主張する人にはしょうがないからそれなりに対応するけれど、そこまでじゃない人には適当に手を打たせようという、相手をみた不誠実な態度です。

僕は、サラ金相手に依頼者のもつ権利分の全額の支払を求めていたときに、業者の代理人から「ごねる人」といわれたことがあります。非常に心ない発言と思いました。

そりゃあ、訴訟は互いの言い分のどっちが説得的か白黒つける場所なので、その結果には従い、訴訟の外では自分の言い分通りに進められるところは進めるという考え方があることは分かります。

しかし、それは結局、強い者が金と権力にあかして理の通らないことをやっているにすぎません。

私たちのような弁護士が基本的に共有する考え方として、法律を弱い者の武器として活用とするという考え方があります。しかし、司法救済システムをとるとき、訴訟までいかない人たちへの救済が不十分にならざるを得ないという限界があります。

何が原因か。結局、カネです。目の前にある被害をどう救うかの問題であるはずなのに、どこまで補償するかに問題をすり替えてしまっていることが問題なのです。でも、このことに明確に気がついている人はあまり多くありません。

被害に向き合い、克服することとは何か、常にこの原点を忘れないようにしなければなりません。

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厚生労働省の更生を求める集会

昨日、霞ヶ関の弁護士会館2階講堂(クレオ)で、「厚生労働省よ、更生せよ!」と銘打った市民集会が開かれました。
厚生労働省を相手取って進めている4つの裁判(原爆症認定、トンネルじん肺、薬害肝炎、中国「残留孤児」)の原告団と弁護団が集い、それぞれの経験や課題を報告し合いました。
厚生労働省は、国民の健康と福祉に責任をもつ、巨大官庁です。いくつもいくつも責任を追及される裁判を起こされ、裁判所に責任を認定されているのに、裁判で負けた分だけ仕方なしに補償し、被害の根絶・全面解決には向き合おうとしません。これは一つ一つの課題だけではなく、もっと構造的な問題ではないかという問題意識で、弁護団レベルから交流を始めたものです。
国が健康と福祉を保つ責任を放棄するとき、その被害にあった人たちは人生をズタズタにされます。心と体と暮らしに大きな傷を受けるのです。
それぞれの局面で行政の(括弧付きの)裏付けとなるものは違うでしょう。対米政策、財界との関係、製薬会社との関係、戦後補償の側面の問題という具合です。
しかし、人道的観点からすれば、それらは、被害を放置することを正当化する理由にはなり得ません。
だからこそ、裁判所は国を断罪し、国会議員の中にも救済すべきだとする声が大きくなりつつあるのです。厚生労働省の包囲網は確実に狭まっています。
今月後半は、各事件での判決が目白押しです。
厚生労働省よ、更生せよ! 君らの本来の任務を全うせよ!!

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